窒素、酸素、炭素。この中で空気中に一番多く含まれているのは?
「ポイズン」
 声が聞こえる。
 若い、自分と同じ年頃の少年の声。
 こんな冷凍庫の中に、どうやって入って来たのだろうか?
 ただ者では無い。
「・・・あ、今は一樹君か」
 そっと顔を上げて、声の主を見た。
 自分の名前を知っているのだから、知り合いかと思ったのだが、そうではない。
 どこかで見覚えがあるのだが、どこだか思い出せない。
 そんなに印象が薄い顔でもない。
 どちらかというとテレビに出そうな、精悍な顔つき。
 痩せてはいるが、弱い感じがしない。
 むしろ、どっしりと貫禄がある。
 そのギャップがおかしい。
 が、笑いは起こらない。
 顔が寒さで強ばってしまっているようだ。
「ポイズン・・・?」
 意味は、毒とか、そういうものだっただろうか。
 頭の中身も凍り付いて、考える能力というのが低下している。
 相手は訝しがって、自分の顔を見た。
「デッドリィ・ポイズン。君はそう呼ばれるようになる・・・けど、何も知らないみたいだな」
「・・・?」
「知らないなら知らないと言えばいいさ」
 一体全体、どこの誰なのだろうか?
 その答えは、すぐに返ってきた。
「名前は、ナイトルジェン。ナイトと呼んでもらっても構わない。意味は窒素」
「窒素・・・?」
 ますますわけがわからない。
「そう、窒素。空気中に最も多く含まれる気体だ」
 何の用があるのだろう?
 窒素という名の少年は、あっけらかんと目的を言った。
「君の家族を守る代わりに、君の存在を過去から消す。その為に僕はここに来た」

  *  *  *
ハイ、変な人登場です。
ただの黒小説から、展開する為の登場人物です。
「黒小説が好きなんだっ!」って人は、こいつをフィルターにかけてください(
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by cherry-blossom928 | 2006-04-29 19:23 | 小説
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